「わかった!これはディフォルメね。」
アリスが、立ち上がって言いました。
 
「ほら、 386ページ383ページと比べてみても、私の顔やスタイルってページによって
まちまちじゃない?これは、たそがれの夕子さんみたいに見たいように見え方が変化する
んじゃなくて、実態は同じだけどページによってディフォルメの度合に差があるからだわ。」
 
「いやいや、それは作者の画力のせいだぴょん。」
うさぴーは小声でつぶやきます。
 
 
「つまり、飛んでいる矢が静止画の連続のように見えるのは作画上のディフォルメにすぎず、
実際は物語中でも先ほどのうさぴー氏の説明が成り立つというんだね。」
帽子屋は、大きく頷きながらにっこりしました。
 
「ずいぶんメタフィクショナルな理屈だけど、うん、いいだろう。緑の魔術師氏を紹介しよう。」
手品師のような手つきで、ポケットから上品な便箋を取り出すと、早速帽子屋は紹介状を
書いてくれました。
 
 
 
 
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