「むうう・・・これは!!」
 
トリス大佐の指さす3次元レーダーを覗き込んだ後北条元帥は、思わずうなりました。
 
「点滅してるのがピヨピヨ艦隊なの?」
 
「そうぢゃ、潤子ちゃん。ピヨピヨ艦隊は二手に分かれようとしちょるの・・・。一方は大型
艦ぢゃが数は少なく、もう一方は無数の小さな艦のようぢゃ。」
 
後北条元帥も緊張した面持ちでうなずきます。
 
「おそらく、どちらかが地球に着陸してくる侵攻部隊、他方は我々を引きつけるための
オトリでしょう・・・地球への直進コースをとっている大型艦の方が、たぶんオトリですな。」
 
 
「じゃあ小型艦イッパイの方をやっつければ、ピヨピヨ星人の侵略を阻止できるパオ?」
 
「確かにそうです。しかし、これだけの数ですゾ!全力で相手をしている間に、もう一方
の艦隊が地球に到達して・・・おそらく地上は火の海にされるでしょう。」
 
「ぢゃったら、先に大型艦を・・って、それではウカウカとオトリに引っかかってしまうの。
数の上ではワシらは劣勢ぢゃけえ、こっちも二手に分かれるのは論外ぢゃ。両方で負
けて全滅してしまう・・・」
 
「つまりピヨピヨ星人たちはこう言ってるわけね。『おとなしく侵攻部隊を着陸させる
か、地球を火の海にされるか、どちらか選ぶピヨ』〜、みたいな感じ?」
 
「潤子ちゃん、まさしくその通り!ですな。」
 
ピヨピヨ星人の恐るべき侵攻プランに、全員困惑した表情で見つめ合うばかりです。
 
「パオ〜・・・とりあえずどちらの艦隊も地球に接近できないようにするパオ!」
 
「どうするんぢゃ?いや〜ん」
 
「突貫工事で巨大電磁石を3台くらい作って、地球上の全電力で磁気嵐を発生させる
パオ。敵はコンピュータが正常に動作しなくなって、きっと正確な侵入軌道が計算でき
ないゾー!地上の味方計算機もダメになっちゃうけど、少しは時間を稼げるかもしれ
ないパオ。」
 
「おお!その間に二手に分かれたピヨピヨ艦隊を、一方ずつ邀撃するわけぢゃの。」
 
「磁気嵐発生装置が間に合うかどうか、が勝負の分かれ目ですな・・・。了解です!勝
つ可能性のある方法は他にありますまい。いや〜ん司令、すぐにイヤポポリスに戻って
工事の準備を頼みますゾ!」
 
 
宇宙戦艦チョモランマ
 
 
いや〜んが電送室に去ると、後北条元帥はぽぽりんと潤子ちゃんを交互に見ながら
切り出しました。
 
「サテ・・・どちらの敵艦隊に向かいますかな。」
 
 
大型艦で数が少ない方
小型艦で数がおおい方
 
 
 
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