「よし!まずは敵の大型艦を撃破して地球への脅威を取りのぞくんぢゃ。」
「了解。地球艦隊発進!目標、敵の大型艦艦隊。」
後北条元帥の号令と同時に、地球艦隊の全艦が泊地を離れ、航行序列を
組みながらピヨピヨ艦隊めざして進撃を開始しました。
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「後北条元帥、先行スル特設巡洋艦シナ・ノーマルヨリ緊急通信です!」
艦隊が小惑星帯を通過して間もなく、クリス大佐の声が戦艦チョモランマの
ブリッジに響きました。
「読みあげよ。」
『敵艦ラシキモノ見ユ。木星軌道ヨリ4500キロ。17時37分、中継開始』
艦橋の全周モニターに、シナ・ノーマルから送られたピヨピヨ艦隊の映像が
映しだされます。
「おおお・・・変な隊形ぢゃ・・!!」
「敵は遠距離砲撃に備えて、拡散隊形をとっているようですな・・・クリス大
佐、イヤポポリスに送信。『敵艦見ユとの警報に接し、我はこれを捕捉・
撃滅せんとす。本日磁場安定なれども太陽風強し、17時40分』以上だ」
クリス大佐がイヤポポリスに電文を送っていると、突然モニターの映像が
途切れました。
「映像途絶!『シナ・ノーマル』ガ撃沈サレマシタ」
レーダー上でシナ・ノーマルをトレースしていたトリス大佐が叫びます。
「え〜、乗ってた人たちは・・・?大丈夫なの?」
「潤子ちゃん、宇宙艦隊の乗員はほとんどクリス型ロボットばかりで、
人間はほとんど乗っちょらんのぢゃ」
「クリス型ロボットは、宇宙空間に放り出されても自力で火星基地に帰還
できるように設計されておりますぞ!シナ・ノーマルの乗員はクリス型が
3機だったはずです。」
「・・・ありす、くらりすノ2機ノ識別信号ヲ確認。自力デ火星ニ向カッテ
イマス。モウ一機、りりすハ破壊サレタモヨウ。艦隊戦ノ後、記憶装置ヲ
回収スレバ再生デキマス」
「ロボット兵は、地球の工場・整備施設が破壊されないかぎり復活でき
ますが潤子ちゃんたちはソウはいきませんぞ!今のうちに宇宙服を
着て、チョモランマが損傷した場合は慌てずに電送機で退艦するの
ですぞ。」
ぽぽりんと潤子ちゃんは、宇宙空間での闘いに改めてゾッとする思いで
途切れたモニターをボウゼンと見つめます。
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