火星を脱出して宇宙巡洋戦艦ポポリスに収容された潤子
ちゃんたちは、あらためて火星をながめてビックリしました。
 
ナント、火星基地のはなぴょん本体からあふれ出した超大量の
ナミダが、まるで大洋のように火星の地表をおおっているのです。
 
 
 
 
 
 
「ナントイウことぢゃ!気圧も重力も小さい火星では、水などアッというまに
蒸発するはずなのに、ソレを上回る量のナミダがあふれちょるんぢゃ!」
 
「モノスゴイ量だネ!・・・あの涙ははなぴょんの体内でできるのかな?」
やどらんの感嘆する声に、ランちゃんが答えます。
 
「火星の大気はホトンドが炭酸ガスだから、材料はきっと地下資源ね。
まわりから集めた水素原子と、自分で光合成した酸素を使って
水を合成しているんだと思うけど・・・信じられないスピードだわ!」
 
潤子ちゃんは、火星基地があるあたりに目を凝らしてみました。
「はなぴょんはスゴイね。火星にができるほどナミダが出るんだね。
ひとりぼっちはそんなにツライ?・・・ わたしたち、どうすればいい?」
 
 
ぽぽりんは、窓にぶら下がるようにして火星を見ています。
「これほど大量の水が合成されると、火星の気候も変わってしまうのう」
 
「どうなっちゃうの?」
やどらんの問いに、再びランちゃんが答えます。
 
「水の量にもよるけど、大気の成分が変わるわネ。生き物がすめるように
なるかもしれないわ。」
 
「そうだ!もし火星がそんな風に変わったら、はなぴょんのまわりにお花
植えてあげよう。姿が似てるチューリップの花を、たくさんたくさん、・・・」
潤子ちゃんたちが見つめるあいだも、火星の海はさらに大きく広がるようです。
 
 
 
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