すると、はなぴょん本体てっぺんの大きな花から、モノスゴイ量
あふれだしてきました。
 
「ど・・・  どうしたんぢゃ、はなぴょん!?・・・怒っちょるんか?」
 
「・・・はなぴょんはネ、泣いてるのよ!    ぽぽりん。」
いつのまに意識をとりもどしたのか、潤子ちゃんがぽぽりんのソバに
立っていました。
「オモイデ話のサイショあたりで、ぽぽりんもズイブン泣いたでしょ?」
 
振り返ると、やどらんやランちゃんも気がついたようすです。
「おお・・・   はなぴょん、ワシらはどうしたらええんぢゃろうか・・・?」
 
どこにそれだけの水分があるのか、はなぴょんのナミダはトメドモナク
あふれだしてきます。
 
 
「ぽぽりんサン!潤子サン!」
基地の外で待機していたラセン中尉が、血相を変えてミンナのいる火星基地
最上階へ駆け上ってきました。
 
「ああ、やどらんサンもランさんも無事でしたか!ダケド、宇宙植物の放出する
液体で、まわりがヌカルミ始めているんです。早く脱出しないと、惑星着陸艇
カメ3号が離陸できなくなるわ!」
 
「こんなに泣きじゃくってるのに・・・ 放っては行けないヨ」
潤子ちゃんは、どうしても立ち去りがたいキモチでいっぱいでした。
 
「基地にはもう電力がないし、食料もソコをついてるんだ。気持ちはやどらんも
潤子ちゃんと同じだけど、ここに閉じ込められたらガシしてしまうよ・・・。」
 
「いったん地球のイヤポポリスに戻って、装備を改めて出なおしましょ。ね?」
ランちゃんのことばに、潤子ちゃんはやっと小さくうなづきました。
 
 
カメ3号はナミダの直撃をさけて、なんとか離陸に成功しました。
 
「はなぴょん、今はもう気持ちは通じ合わんかもしれんけど、ワシらは
トモダチぢゃ!きっと戻って来るけえの。泣いたらいけんよ!」
 
 
 
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