騎士団を結成した5人は、さっそく桃十字タワー地下格納庫から突撃砲を引き出しました。
「3003号突撃砲ぢゃ!120ミリ滑腔砲を装備して、反重力モーターで時速700キロの
機動力をもっちょる。装甲は圧延鋼板とセラミック、チタン合金などの複合装甲。さらに
この3003号F2型の場合、複合素材のシュルツェンとザウコフを標準装備した、最強の
突撃砲ぢゃ!」
「潤子、突撃砲とかよくワカンナイけど、戦車とはちがうの?」
「地上兵器に反重力モーターを搭載するようになると、旋回砲塔を持った戦車では、ドウモ
重心が安定せんのぢゃ。それに反重力で浮かんぢょるけえ、車体ごと旋回した方がラク、
というわけで30世紀の装甲兵器の主力は、無砲塔の突撃砲なんぢゃよ。」
諸尾博士は3003号F2型の仕様を確認すると、車長シートに座りました。
「ワタシとネコ姉妹がこれに乗ろう。ぽぽりん君、潤子ちゃん。キミたちは、白兵戦の経験
が豊富だったな?反重力ボードに乗って、機械化歩兵として援護してくれ。」
「博士、突撃砲はスピードは出るけど小回りは利かんのぢゃ!充分気を付けてくれい。」
ぽぽりんのコトバにうなずいた諸尾博士は、ネコ姉妹に声をかけます。
「にゃにゃ子くん、自動車の運転はできるか?」
蒼い髪のにゃにゃ子さんは、操縦席に飛び乗るとハッチからヒョッコリ顔を出します
「たまに救急車に乗ったことがあるにゃん。」
みぃなさんは、諸尾博士の右どなりの砲手席に着きます。
「いろんな砲弾があるんだにゃ〜」
「弾頭がミドリの接着剤充填弾だけを使うのだ。堅い徹甲弾や、大爆発する対人榴弾などは
ゼッタイに撃っちゃダメだぞ!瞬間接着剤を噴出する弾丸で、エンジェルを固めてしまうのだ。」
反重力ボードとタキオン粒子ピストルを2名分調達すると、すぐに戦闘準備は整いました。
出撃!
桃十字タワーを出撃したピーチクルセイダーは、イヤポポリス放射状高速4号線を
通ってエンジェル侵食区画に向かいます。
突撃砲を先頭に、ぽぽりんと潤子ちゃんが両翼を援護する楔型隊形です。
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