一方、火星の衛星軌道上の宇宙巡洋戦艦ポポリスでは、ぽぽりんたちと入れ替わりに
乗艦したいや〜ん司令の指揮の下、火星基地の怪植物に攻撃を加えようとしています。
 
宇宙植物の正体は依然不明でしたが、これ以上犠牲者を出すわけにはいきません。
いや〜ん司令以下、臨時副官のラセン中尉たちは、今は無人の火星基地を犠牲に
してでも、怪植物を実力で以って排除する決意です。
 
 
「右主砲戦用意!上部1、2番および下部1、4番砲塔は目標の怪植物を直接照準!
上部3番および下部2、3番砲塔は反対舷に反動相殺射撃準備!」
 
艦内マイクを通じて、ラセン中尉のキビキビした命令が各部署に伝わります。
 
 
「1番砲塔準備よし!」
 
「2番砲塔準備よし!」
 
まもなく、すべての砲塔から準備完了の報告が出そろいました。
  「いや〜ん司令!攻撃準備完了です。」
 
「了解、ラセン中尉。これから本艦は、火星基地に寄生する宇宙植物に、中性子弾
艦砲射撃を加える。地球生物全体の存亡は、この一撃にかかってるよ!ミナサン
乾坤一擲でガンバッテください。じゃ、撃っていいよ。」
 
いや〜ん司令の訓示と発砲許可を得て、各砲一斉に、火星基地の怪植物をめがけて
大質量の中性子弾を発射しました。
 
 
「司令!主砲弾が、目標手前でおかしな屈折軌道を描いています。命中
しません!」
 
あっれー?!ホントだ。え〜、なんで?困ったな」
 
照準誤差の可能性を考えて、もう数斉射してみましたが、ヤハリ当たりません
「・・・ひょっとして怪植物は、時空間をねじまげてバリヤを形成しているのでは?」
 
ガーン!そんなんアリなの?」
 
宇宙植物の計り知れない防衛能力の前に、有効な攻撃手段を持たない巡洋戦艦
ポポリスは、やむを得ず一旦月面基地に帰還して作戦を立て直すことにしました。
 
 
 
 
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