ズズズズズズズズズズ・・・・・・
次に三人が通常空間へ出現すると、そこは神秘的な巨大天体の目と鼻の先でした。
「えぇ、、ここはどこだポッポ?」
「う〜ん、何処かで見たことがある気がするけど・・」
「待って、今記憶回路から場所を特定するから」
汝らは何者であるか
現在地がわからず混乱する星姫様、クリス大佐、ポッポ・コバト少佐の心の中に、突然
語りかけてくる声があります。
その声は、海のように深く深く3人の心に染み渡るようでした。
「あなたは目の前の巨大な天体さん?私は星姫。宇宙都市蓬莱生まれです。」
「私はポッポ・コバト少佐だポッポ。ピヨピヨ星人だポッポ」
「私はクリス!地球はアンダマン工廠生まれのアンドロイドです。」
3人の名乗りを聞き、巨大な天体は微かに身じろいだようでした。
誰か我が出自と名を知らぬか
その声は、何億年もの孤独に少し震えているようでした。
「あった!地球から見るのと逆方向だけど、あなたはワシ星雲のピラーズ・オブ・クリエーション
(創造の柱)ね。」
記憶回路の照会を続けていたクリス大佐が、ようやく該当データを見つけ答えると、巨大な
天体は突如、大きな溜息とも嗚咽ともとれない叫び声を上げ始めました。
お・・・おおおおぉおおおおおおぉおおおぉぉぉ・・・
「わああ!一体全体、どうしちゃったの??」
びっくりする間もなく、3人は再び亜空間回廊へ戻っていきました。
******
「あ、誰かいる」
亜空間回廊へ戻った3人は、小型宇宙艇内にピヨピヨ星人の子供のような見た目の何者かが
いることに気づきました。
「ピー!」
その何者かは、小鳥のような声で囀りながら微笑しているようです。
「私たちのことを、名付け親だと言ってるポッポ。連れてって、って言ってるポッポ。」
唯一囀りの内容を理解したポッポ・コバト少佐が通訳し、3人はさっきの巨大天体か、
あるいはその一部が一緒について来たようだと知りました。
「亜空間回廊に置き去りにはできないよね。よし、一緒に行こう!」
「ピー♪♪」
「ピラーズ・オブ・クリエーションだから、ピーちゃんって呼んでって言ってるポッポ。」
こうして、ピーちゃんも共に進むことになりました。
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