ズズズズズズズズ・・・
 
やがて3人の乗った小型艇は、機体をビリビリと震わせながら
亜空間回廊から通常空間へと復帰していきます。
 
「・・・・!!」
「ええッ!?」
 
星姫様クリス大佐ポッポ・コバト少佐の三人は、辺りの様子
を一目見るなりあっけにとられ、開いた口が塞がりません。
 
 
「ここは・・・そう、思い出したポッポ!」
 
ポッポ・コバト少佐の小さな叫びに、星姫様とクリス大佐が同時に
振り向きます。
 
「ここはキューブ・プラネット、大気の特殊な屈折で、あらゆる物体が
立方体に見えるポッポ」
 
「あ、立方体に見えてるだけなのね。」
星姫様たちは、自分の全身に触れてみて、立方体なのはビジュアル
だけなことを確かめると、ほっとして四角い顔を見合わせます。
 
「艦隊で星間を旅する途中、両親と立ち寄ってとても楽しかった場所だ
ポッポ。心がジンと痺れるぐらい懐かしいポッポ!」
 
三人が辺りを見回すうち、視界が急速に暗くなり、再び亜空間回廊
戻って行く様子です。
 
「どうやら、ポッポ・コバト少佐の潜在意識が行きたがっている場所は
1つだけじゃなくて、走馬灯のようにいくつもあるようね。」
クリス大佐は、持ち前の冷静さで状況を分析します。
 
 
 
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