カルタ兵に案内されて城内の大広間を進むアリスとうさぴーは、
やがて等身大くらいの、一枚の肖像画の前にやってきました。
「この絵は女王陛下の肖像画ぴょん?」
「きっと女王陛下ね。ほら、ずいぶん美化されちゃってる様子じゃない?」
ふたりが肖像画の前で大声で感想を述べている傍らで、カルタ兵が
恭しく跪いて奏上します。
「旅の者たちをお連れしました、赤の女王陛下。」
「えっ・・・・!?」
びっくりしたうさぴーとアリスがもう一度肖像画の細部を観察すると、
確かにつま先は額縁の手前にあり、つまり絵のように美しい人物が背景の
前に静かに佇んでいるのでした。
「し、失礼しました!すいません、女王陛下!!」
「よいのです、旅のかた。わたしに聞きたいことがあるのでしょう?さあ遠慮なく
申してみられるがよろしい。」
赤の女王は、狼狽するアリスとうさぴーににっこりと微笑みました。
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