「全機、単縦陣を維持したまま最大戦速!」
クリス少尉の号令で、新しく編成されたクリス型6機から成る小隊は、きれいに一列に
並んで突撃訓練を開始しました。
「モリス!進路がずれてるわ。1番機のクリスの誘導電波にシンクロするのよ!」
単縦陣の最後尾から、トリス少尉も僚機を無線誘導します。
「目標、前方の動標的。照準開始!」
訓練用の標的に向かって突撃する6機の突撃艇が全機ロックオン完了すると、クリス
少尉の射撃方位盤に6個のランプが点灯します。
「発射!」
ズズズーン
標的に全弾命中したのを確かめながら、編隊は大きくUターンして突撃開始位置に戻
っていきます。
「わ〜い!モリス大佐、やっと登場ですね♪」
モニターに新造間もない頃のモリス大佐の姿が映ると、ユウ中佐が歓声を上げて
画面を指さします。
「ていうか、モリス大佐、トリス姉さまに怒られてるよ♪♪」
「そうそう、私たち初期の量産型は、生まれてからしばらくは毎日毎日、編隊訓練
ばかりしてたんです、、乗ってる突撃艇は、マーク1宙陸両用突撃艇ですね。」
「宙陸両用突撃艇・・・?」
「反重力技術を使って、宇宙空間から惑星表面まで飛行可能にした突撃艇です。
もちろん、生身の人間には乗りこなせないクリス型専用機です。・・・・当時、私も
戦闘技術やサバイバル法、色々なことをクリス大佐とトリス大佐に学びました。」
モリス大佐は懐かしそうに微笑しましたが、当時学んだ知識の中に現在の
クリス大佐・トリス大佐を救出する方法がないか、記憶を探っている様子です。
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