V2作戦で大きな損傷を受けた2機のクリス型アンドロイドは、直ちにアンダマン諸島にある
海軍工廠に運ばれて、復旧工事が実施されました。このとき、宇宙海軍制式化に伴う大改
を受けて、軍用アンドロイドとしての姿に生まれ変わったのです。
 
「やれやれね、、」
 
「どうしたのよ、姉さん。手足も元通りになったし、V2作戦の勲功で揃って少尉になったし、
前途洋々じゃない?」
動作試験中、つまらなそうにため息をつくクリス少尉に、トリス少尉が問いかけます。
 
「だってこのボディデザイン、前に着てたパイロットスーツがモデルじゃない。四六時中戦闘
してるみたいな気分だし、おしゃれなお洋服が着れないし。超つまんないよ!」
 
「うん、そりゃまあそうだけど・・・・」
 
 
 
 
 
 
 
「ブラウスやスカートだって、着ようと思ったら着れないわけじゃないし。軍用アンドロイド
なんだから攻撃力防御力機動力のほうが大事でしょ、姉さん。」
 
実際、大改装によって強化されたクリス型アンドロイドは、それぞれが重巡洋艦に匹敵
する戦力を備えた恐るべき兵器のかたまりなのです。
 
「地球上の各海軍工廠で、クリス型アンドロイドの量産がもう始まってるらしいよ。そのうち
姉さんや私たちクリス型だけの小隊や中隊ができるかもね。」
 
「いやいやトリス、艦隊ぜんぶクリス型アンドロイドで、戦争は機械だけがやってる〜、
みたいな時代になるかもよ?」
 
え〜〜!?何よそれ。人道的なんだか非人道的なんだかわけがわかんないじゃん!」
クリス少尉とトリス少尉は、宇宙海軍の未来を想像して明るく笑い合います。
 
 
 
 
 
もどる       Topへ      すすむ