クリス准尉とトリス准尉の戦闘攻撃機は、迎撃ミサイルの弾幕をかいくぐりながら徐々にV2
要塞本体に接近していきます。
 
「姉さん、巨大な艦影を発見!すごい・・・・全長1500メートル以上あるよ!!」
 
レーダーに映る巨大な艦影に驚いてトリス准尉が叫ぶと、クリス准尉が問い返します。
艦種は何?1500メートル以上の大型艦だと、戦艦・空母・輸送艦のどれかだと思うけど・・」
 
トリス准尉は、内蔵の望遠レンズを最大望遠にして艦影を観察します。
 
「・・・前後に大きな砲塔が見える、、戦艦に間違いないわ。細部の特徴から見て、ヴィーナス
2世級の7番艦、宇宙戦艦プラチナじゃないかなあ、、」
 
「了解、トリス。申し分ない目標だわ!」
 
クリス准尉は宇宙戦艦プラチナに向かって進路を修正すると、一気に加速して攻撃態勢に入
りました。
 
 
「目標まで100キロ。直衛戦闘機に気づかれたみたい!」
 
クリス准尉たちの戦闘攻撃機の背後から、金星艦隊直衛の迎撃戦闘機が数機、急速に
接近してきます。
 
姉さん!敵の迎撃機にロックオンされちゃった!」
 
トリス准尉の悲鳴に近い通信を聞いて、クリス准尉は機体をさらにグンと加速します。
 
「目標まで4キロの魚雷発射地点まで肉薄するわよ。魚雷発射まではミサイルの回避運動
はできないから、ミサイルが追いつく前にたどり着くの!トリス、距離計を読んで!!」
 
「う、うん・・・わかった。距離80キロ・・・」
 
「70・・・」
 
「60・・・」
 
戦艦プラチナに接近中も、後ろからは迎撃戦闘機から発射されたミサイルが徐々に加速し
ながら接近してきます。
 
「30・・・」
 
「トリス、魚雷発射用意。10キロからは1キロ刻みで読んで!」 
 
「20・・・、10、9、8、7、6、5、4、姉さん!!
 
発射!
 
ガシャン!
 
戦闘攻撃機の機体を離れた宇宙魚雷は、まっすぐに宇宙戦艦プラチナの船体に向かって
突進していきます。
 
 
 
 
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