「キャロル・キャットさん!姿が見えんけえ、心配しちょったところぢゃ。先に塔の方に
向かっちょったんぢゃの。ていうか、いっしょにおられるお嬢さんは、どなたかの?」
第三回廊から中庭にぞろぞろと進んできたぽぽりんたち一行に気づいて、セーラ・
キャットさんはぺこりとおじぎをしながら、ほがらかに微笑みました。
「みなさん、長旅お疲れさま。わたしはキャロルの友達のセーラ・キャットです。これか
らアミダタワーを訪問なさるんでしょう?もしよかったら、わたしがご案内しましょう。」
「おお♪すまんのセーラ・キャットさん。キャロル・キャットさんと服がおそろいで、超
なかよしの様子ぢゃの♪」
ぽぽりん、プラム、マカぴょん、それに夕凪中佐やりょう中佐たち空母瑞鳳のみんな
も、セーラ・キャットさんの案内でアミダタワーの入り口に入っていきました。
「アミダタワーの1階から6階までは図書館になっていて、アミダポリス内外の貴重
な文献が保存されています。どうぞ、どれでもご自由にご覧ください♪」
「おおお!すごい蔵書の数ぢゃの!!」
一行は、思い思いの書物を手にとって、ページをパラパラとめくったり、表紙をながめ
たりし始めました。
「別冊・アミダポリスガイド・・・・旅行のガイドブックもあるプラ♪」
「りょう中佐は何を読んでるの?パンニャー・パラメーター論入門??なにそれ?」
「よく わかんない けど おもしろいよ^^。」
りょう中佐と夕凪中佐の会話を聞いて、セーラ・キャットさんがうれしそうに話しかけ
ます。
「そうそう、パンニャー・パラメーター理論はアミダポリスの時空間のありようを説明
したものだけど、この入門書はキャロルさんとチャーリー君の会話形式で書かれて
いて、初心者にもわかりやすいって評判なんです。いい本を選ばれましたね♪」
ぽぽりんは、図書館の奥にある少し開いた扉が気になる様子です。
「キャロル・キャットさん。扉の向こうが妙に明るいけど、あの部屋だけ照明が強い
んかの?」
「あの部屋は、アミダポリス市長の執務室よ。あの明るさだと、ちょうど市長が在室
中ね。訪問してみますか?」
「うん。わし、この世界の事とか、銀色の物体の事とか、元の世界に戻る方法とか
聞きたい事がてんこ盛りぢゃ!ぜひ市長にお会いしたいの。」
「わかりました。・・・・・市長は光輝くまぶしい方だから、直視すると目を傷めるので
気をつけてくださいね。」
「まぶしいかた・・・?」
怪訝そうな表情のまま、ぽぽりんはキャロル・キャットさんと一緒に、図書館の奥の
扉に向かって進みます。
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