マカぴょんが海にむかって叫んでいるころ、キャロル・キャットさんは一足先に
第三回廊の階段を通って、回廊に囲まれた中庭を歩いていました。
 
ハ〜イ♪キャロルじゃない。いつ戻ったの?」
 
陽気な声に振り向くと、キャロル・キャットさんと同じ制服を着たブロンドの猫型
の人が、にっこりしながら近づいてきます。
 
「たった今、着いたところよ。しばらくぶりね、セーラ・キャット♪」
 
キャロル・キャットさんと、セーラ・キャットさんはハイタッチで挨拶を交わすと、
にこやかにおしゃべりを始めました。
 
 
「アミダポリスへの訪問者さんの、案内役お疲れさま。今回もあれ?文献の閲覧
希望者のみなさん?」
 
「そうね、、どちらかというと、迷い込んだ様子のフクロウさんとか、いろいろよ。」
苦笑するキャロル・キャットさんに、思い出したようにセーラ・キャットさんが尋ね
ます。
 
「そうそう、タクラマカン湖の様子、見てきてくれた?」
 
「うん。時空間のひずみで発生してた生命体と意思疎通できたから、水源の方は
もう大丈夫よ。銀色の物体の稼働状況の方はどうなの?」
 
「100パーセント稼動を維持してるって。わたしにまかせなさい♪」
セーラ・キャットさんがそう言って胸を張ると、二人とも明るく笑います。
 
「それにしても、各回廊の時空間通路を使えば楽なのに、旅客機とか空母とか、
大変ね。」
 
「時空間通路は、私たちアミダポリス都市管理局だけの秘密だから・・・。今回は
グレートハーン遺跡の入り口が見つかっちゃったから、そこから通路を使ったの。
もっとも、わたしはドラゴン旅客機が好きだけどね。」
そう言うと、キャロル・キャットさんは明るい大空をまぶしそうに仰ぎました。
 
 
 
 
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