蓮の花が一面に咲いた大きな池の上空を通って、渡り廊下は間もなく第二回
廊の一角に静かに着陸しました。
「こ、これは・・・・」
第二回廊の内側の空間は、見渡すかぎり地平線の彼方まで広い広い砂漠が
広がっています。
「そう、第二回廊と第三回廊の間の空間は、砂漠地帯になっています。ここは
空間が特に大きく圧縮されているので、この砂漠はちょっとした大陸なみの広
さがあるんですよ。」
「うを?大陸なみかね!!」
ぽぽりんは、砂漠の上を流れていく雲をあっけにとられたように見つめました。
「このすごい砂漠を、往き来する人がおるんかの?」
「先日、3人のお弟子さんを連れた聖職者のかたが、馬に乗って往復なさった
ところですよ。私たちも今行こうとしているアミダタワーの図書館で、貴重な文
書を閲覧して来られたようです。もっとも、その方は、旅の最後までここを天竺
とかいう場所と勘違いしてましたが・・・」
「どこかで聞いたような話ぢゃが、それより、ワシらは砂漠の旅のしたくをしと
らんけど、無事にたどり着けるぢゃろうか?」
困惑しきった表情のぽぽりんを見て、キャロルキャットさんはにっこりして頷き
ます。
「大丈夫、間もなく乗り物が来ます。」
そう言うと、何かを探すように砂漠の彼方の地平線の辺りをじっと見ています。
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