様々な人物やロボットたちでにぎやかな第一回廊をしばらく進んだキャロル・キャットさんと
ぽぽりんは、回廊の内側に面したテラスのような場所に着きました。
「ここから、渡り廊下で第二回廊に進みましょう。」
「渡り廊下?第二回廊に続く廊下は、見当たらんけど・・・」
きょろきょろ見回すぽぽりんに微笑みながら、キャロル・キャットさんは第二回廊の一角を
指差します。
「おおお!!」
ぽぽりんが目をこらすと、はるか彼方の第二回廊の一角から、まるで廊下の一部のような
床と手すりだけの乗り物が、一定の高度で空中をゆっくりとこちらにやって来ます。
「反重力ボードと、同じ仕組みで飛ぶんじゃろうか?」
ぽぽりんとキャロル・キャットさんが乗り込むと、渡り廊下は再びゆっくりと進み始め、
建物の間に広がる大きな池や森のすぐ上を通って、第二回廊へと向かいます。
「きれいな庭ぢゃの・・・」
都市の外観からは想像もつかないほど広大な、池一面に咲いた蓮の花が暖かなそよ
風にゆれて、どこからともなく琴や太鼓の音色も聞こえてきます。
「外から見た感じよりずいぶん広いの。それに、同じ樹にいろんな果物がなっちょる!」
「時空間圧縮技術を使ってるので、アミダポリスの内側の空間は外から実際に測った
場合より何倍も広いって聞いたことがあるわ。ぽぽりんさんのお国では、ひとつの樹は
一種類の果実なの?」
涼やかな表情で言うキャロルさんに、ぽぽりんは目をまん丸にして驚きました。
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