「ハ・・・始マッタワ!!」
 
両腕でしっかりとはっつぁんを抱きかかえて、ぐんぐん迫ってくる小惑星ギドラ
見つめていたクリス大佐は、小惑星の片側の表面に次々と上がる弾着の閃光
に気づいて叫びました。
 
「地球艦隊が小惑星を砲撃してるんでやすか?助かったでやす〜・・」
 
はっつぁんの今の姿勢ではよく見えなかったけれど、小惑星は、重巡マラッカ
ボスポラスの砲撃で、急激に軌道を変えていきます。
 
「エエ、ナントカ小惑星ニ激突スルノハ避ケラレソウネ。ダケド・・・・・」
 
クリス大佐は怪訝そうな顔で、小惑星ギドラが元あった空間をじっと見ています。
 
「どうしたでやすか?」
 
「ハッツァン、何カガ、コチラニ向カッテクルワ!」
 
 
小惑星ギドラから飛び立ったグラサンレッドたち小惑星ギドラ探検隊も、
クリス大佐たちとの急激な接近に気づいていました。
 
ストライク!!真正面だグラ。ハロー、お嬢さんがた。オレたちは小惑
星ギドラ探検隊だグラ!!」
 
「グラサンのアニキ!もしかして、真正面すぎないっキニ?正面衝突しそ
うな感じだっキニ!」
 
心配そうにズッキーニが言ったとたん、グラサンレッドたちの無線機に
クリス大佐からの通信が飛び込んできました。
 
「コンニチハ、小惑星ギドラ探検隊ノミナサン。テイウカ、ノンビリ挨拶シテ
ル場合ジャナイワ!コノママダト衝突シマス。コチラハ現在変針不可能、
ドウカヨケテクダサイ〜!
 
クリス大佐のことばに、グラサンレッドも探検隊の他のロボットたちも、愕
然とし、狼狽しました。
 
「そうだグラ!サンータロケット、緊急噴射だグラ!大至急だグラ!!」
 
「了解なンダ!秒読み開始、10、9、8・・・」
 
サンータロケットが噴射手順を進める間も、両者の距離は急速に接近し、
お互いの姿をズームなしで明瞭に確認できるほどに近づいていきます。
 
間に合わないグラ!相手は軍用アンドロイド、きっとオレよりはるかに堅
いグラ。ズッキーニ、みんな、オレを盾にするんだグラ〜〜〜!!
 
グラサンのアニキ〜!!
 
 
 
もどる       Topへ      すすむ