宇宙重巡洋艦マラッカの艦橋では、フォリス第五戦隊司令グリス艦長
それぞれ望遠レンズを通して、小惑星ギドラの様子をかたずをのんで見つ
めていました。
 
クリス大佐はっつぁんが、小惑星ギドラに衝突する予測時刻まであと
・・・・そろそろ限界だわ!」
 
フォリス司令がつぶやいた瞬間、グリス艦長が主砲射撃指揮装置をのぞき
こんだまま叫びました。
 
「司令、ギドラ探検隊です!!隊員たちが一列に並んで、小惑星ギドラから
離脱していきます!」
 
 
それを聞いて、フォリス司令の表情も一気にいきいきと輝きます。
 
間に合った!まにあったわ。すぐに全主砲を発射するのよ。いそいで!!」
 
「了解。相対速度ゼロ、一斉射撃を開始します。」
 
ズズン!ズズン! 
 
下腹にずしりとひびく衝撃音を艦内に響かせて、重巡マラッカと後続する重巡ボス
ポラスの合計12門の主砲が一斉に閃光を放ちます。
 
「弾着まで8秒・・・7秒・・・、、早く安全な距離まで退避して!! 」
 
弾着までの時間を計りながら、グリス艦長は祈るような気持ちで主砲射撃指揮装
置のスコープの中の、小惑星ギドラとギドラ探検隊を見つめます。
 
 
 
 
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