一方、彗星丸のキャビンでは、トリス大佐たちに船内に担ぎこまれたままあまりに激しい
疲労で気絶したように座席に横たわっていた星姫さまが、ようやく起き上がったところです。
 
「あ、星姫さま、元気になったようですね!」
 
ユウ中佐・・・はっつぁんは、どうなったでしょうか」
 
彗星丸の屋根で過労で倒れる直前に、はっつぁんとクリス大佐が衝突してはじき飛ばされ
てしまったのを思い出して、星姫さまは真っ先にそれをたずねます。
 
「はっつぁんは、クリス大佐といっしょにまだ遭難中です、、地球艦隊の第五戦隊が、いま
救助にむかっています。」
 
ユウ中佐の返事を聞いて、星姫さまはすっと立ち上がりました。
 
「はっつぁんとクリス大佐を助けに行きます。」
 
 
星姫さまはエアロックに入ると、手足の追加装甲服と個人用の小型ロケットを身につけて、
すぐにも流星群の中へ飛び出しそうな勢いです。
 
「星姫さま!まだ休養をとらないと、命が危険だぴょん!!」
 
うさぴー少佐、ありがとう。はっつぁんは、わたしが幼いころから共にすごしてきた、かけが
えのない存在なのです・・・。それに、クリス大佐との決着もまだついてはいないでしょう?」
 
「姫さま、ピヨピヨ星人との戦いは、もう終わったんだぴょん。姫さまとクリス大佐が戦う理由も
もうないぴょん!」
 
うさぴー少佐が、量産型重力刀を示しながら言うと、星姫さまはにっこりして答えました。
 
「それは、おみやげの量産刀ね。うさぴー少佐、ぜひそれでピヨピヨ星人との和平に尽くして
ください。・・・わたしは、クリス大佐のことも助けにいくのです。クリス大佐が、失うに惜しい
最強の宇宙武者なのは、戦ったわたしがいちばんよく知っています。」
 
「じゃあ、わたしも行きます。イ号さん、ロケットを貸してください!!」
 
「ぬを!?行きなさるか。はっつぁんをよろしくでざる。」
 
ユウ中佐も、エアロックに飛び込むとすぐに支度を始めました。
 
 
 
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