地球艦隊の輪形陣中央に位置する、戦艦チョモランマのブリッジで
モニターを通して星姫さまとクリス大佐の戦いを見つめていたトリス
大佐は、同僚の超接戦にじっとしていられない気持ちでした。
 
「後北条元帥!ムコウハ宇宙船ノパイロットガ巧ミニ星姫ヲ支援シテ
イマス。クリスハ突撃艇モ自分デ操縦シナケレバナラナイノデ、コレ
デハ不公平デス!ワタシモ出撃シマス。」
 
シートから立ち上がるトリス大佐に、後北条元帥は少し狼狽して言い
ます。
 
「ピヨピヨ軍が、ピヨリーナ・ロボットを出してくれているではないか。
それに、君が出撃すると艦隊司令部が手薄になってしまうぞ!」
 
「ピヨピヨ軍トハ正式ニ講和シテナイノデ、戦力トシテ期待スルノハ
無理デス。司令部要員ニハ、輸送艦アンデスノモリス大佐ヲ呼ンデ
クダサイ!」
 
そういうと、トリス大佐は後北条元帥の返事を待たずに突撃艇の格納
に向かって駆け出しました。
 
 
 
 
「トリス大佐!ワシもいっしょに行ってもええかの?」
 
さっきから全身の血が騒いで、うずうずしていたぽぽりんは、トリス大佐
に同行を申し出ます。
 
「ワシ、地球防衛隊ぢゃし、座して見ちょるわけにはいかんのぢゃ!」
 
トリス大佐は少し驚いたけれど、合成音声を精一杯自然なトーンにして
答えました。
 
「オーケー、ぽぽりん。いっしょに行きましょう!光子エネルギーサーベ
ルは持ってる?」
 
「ワシ、タキオン粒子ピストルしか持っちょらん。」
 
「了解、充分だわ。」
 
トリス大佐とぽぽりんが突撃艇格納庫に向かう間も、星姫さまとクリス
大佐の激戦は続いています。
 
 
 
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