「進路クリアー。星姫さま、宇宙超特急彗星丸、発進準備完了でござる!」
「了解、伊19号。宇宙超特急彗星丸、出発進行ー!!」
星姫さまの合図とともに、蓬莱城2階のプラットフォームから、宇宙超特急
彗星丸がすべるように発進していきます。
蓬莱市は、長く地球や他の宇宙都市との往来が途絶えているため、長距離
宇宙飛行に耐える宇宙船は、星姫さま専用のこの彗星丸だけなのです。
ピヨリーナちゃん、ユウ中佐、うさぴー少佐を送っていく事が決まると、直ちに
発進準備が整えられ、ピヨリーナちゃんは大きな貨物室に、ユウ中佐とうさぴー
少佐はキャビンに、星姫さま、伊19号、はっつぁんはコクピットに乗り込みました。
武装は星姫さまの万能扇子以外にまったく搭載していませんが、燃料と
食料は空いたスペースいっぱいに搭載しています。
「伊19号、私はデッキに立ちます。」
彗星丸が蓬莱市を出発して速度が安定すると、星姫さまはそう言いながら
ヘルメットをかぶり、エアロックから船外へ出るしたくを始めました。
「おおお了解でござる!!星姫さま、重々お気をつけなされませ!」
ユウ中佐は、びっくりしてエアロックに向かう星姫さまにたずねます。
「わあ!!あぶないですよ、、どうして外に??!」
「艦隊司令がデッキに立つのは、宇宙戦艦に露天艦橋があったころからの
習慣なんですが・・・地球の船では、そうしないのですか?」
ユウ中佐が首をふると、星姫さまはにっこりしました。
「蓬莱市の船は、ここぞという場面では、やっぱり司令官が今でもデッキに
立つんです。大丈夫、靴に超強力な磁石が入ってるので、船から落ちる
ことはまずありません♪」
デッキにすっくと立った星姫さまは、ヘルメットの無線で伊19号やはっつぁん
と連絡をとりながら、地球艦隊とピヨピヨ艦隊が対峙する地点をめざして、彗
星丸をぐんぐん加速させていきます。
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