「あ、どこかからテレパシー通信を受信したピヨ!」
蓬莱市第三工廠のドックで修理が完了し、各部の機能をチェックしていた
ピヨリーナちゃんが、不意に声をあげました。
「そのアンテナは、テレパシー通信装置だったんですか・・・ひとまず修理
したけど、私たちには通信機の一種としかわからなかったんですよ。
いちおう、画像投影機能も復旧したので、もしよろしかったら試してみて
ください。」
星姫さまのことばにピヨリーナちゃんがうなずくと、工廠の壁一面に、受信
したイメージが投影され、音声もピヨリーナちゃんの内蔵スピーカーから
流れ始めます。
・・・どうやら、交渉決裂のようですな。
通信は、後北条元帥とペンダー中将が面会している、地球軍の補給艦
アンデス艦内から、ピヨピヨ艦隊に向けて発信されているものでした。
「そちらのロボットの不用意な対応のために、我が軍の貴重なピヨリーナ型
ロボットが太陽に墜落したのですペン。」
「もとはといえば、貴方の戦闘ロボットのために、地球軍は月面作業車と
ユウ中佐たちを失ったのですぞ!」
「平行線、というわけですペン・・・失礼ながら、自艦に戻らせていただくペン」
ユウ中佐、うさぴー少佐、ピヨリーナちゃんの3人は、自分たちが太陽に
墜落したと思われていることを知って、びっくりすると同時に大きな焦燥を
感じました。
「わあ、困りました、、ピヨリーナさん、わたしたちが無事なことを、テレパシー
で伝えられませんか!!」
ユウ中佐に言われて、ピヨリーナちゃんは何度も送信を試みましたが、
すぐにがっかりした表情でこたえます。
「だめだピヨ・・・アンテナが一基壊れたので、送信機能はなくなっちゃった
みたいだピヨ。」
「このままでは、両軍の戦闘が始まってしまいます。」
星姫さまは、きびしい表情でみんなに言いました。
「私が直接、みなさんを艦隊までお送りします。さあ、急がないと・・・!!」
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