いや〜ん司令、地球艦隊とピヨピヨ艦隊の遭遇地点に向かって、ものすごい
スピードで接近していく物体があります!」
 
宇宙戦艦チョモランマから地球にもどったいや〜ん司令は、イヤポポリス市中央の
桃十字タワー25階に設置された緊急指揮所で、地上の迎撃態勢の準備をして
いるところです。急を聞いて、諸尾博士みぃなさん、それに火星基地のランちゃ
も応援に駆けつけました。
 
未確認飛行物体の発見を知らせるランちゃんの声に、いや〜ん司令が緊張した
面持ちでふりむきます。
「ものすごいスピードの物体?・・・ランちゃん、データを表示できるパオ?」
 
「火星の人工衛星からの画像を表示しますね。」
 
ランちゃんがコンソールを操作すると、大きなモニターいっぱいに、謎の物体が映し
だされます。
 
「にゃにゃ!?・・・宇宙船に、人が立ってるように見えるのにゃ!!」
 
「距離が遠いので、最大望遠でも輪郭がはっきりしませんが・・・・・」
 
みぃなさんとランちゃんが、映像を見ながら首をひねっていると、諸尾博士が突然
何かを思い出したように叫びました。
 
「こ!これはもしや・・・!!」
 
 
「博士、何か思い当たることがあるパオ?」
 
「いや、昔、曾祖父から聞いた伝説にすぎないんだが・・・」
 
「教えてくださいパオ。」
 
いや〜ん司令に促されて、諸尾博士は話を続けます。
 
「この太陽系のどこかに、蓬莱市という謎の宇宙都市があって、代々星姫という名の女性
が治めているという伝説だ。宇宙に戦乱がうずまくとき、星姫は彗星に乗って現れると
いう・・」
 
「星姫さま?・・・地球に味方するために、現れるパオ?」
怪訝そうな表情のいや〜ん司令に、諸尾博士は首をふって答えます。
 
「味方かどうかは、わからん。ただ、星姫は惑星をも一撃で砕く力を持つと言われて
いる。もしこれが本当に蓬莱市の星姫なら、地球艦隊が危険だ。いや〜ん司令、
艦隊に直ちに警報を出すべきだ!!」
 
「わかったパオ・・・味方かもしれないけど、すぐ艦隊に知らせるパオ!」
 
 
 
 
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