「では、蓬莱市の創建の物語をご紹介いたしましょう♪」
 
そう言って星姫がにっこり微笑むと、うさぴー少佐たちのいる部屋
全体が急に宇宙空間のように暗くなり、大きな宇宙船の立体映像
が出現しました。どこからともなく軽快なBGMも聞こえてきて、ユウ
中佐は思わずあたりを見回しました。
 
「わあ、立体映画!?」
 
 
「ときは西暦2404年、地球連邦軍は金星都市 
連合軍との間で、50年に及ぶ戦乱の渦中に 
ありました。私たちの祖先は、たとえ恒久平和 
を築くためでもイクサを続けなければならない 
人類社会を悲観し、宇宙戦艦蓬莱とともに地球 
連邦軍から離脱したのです。 
 
2404年7月7日、その日は、天の川が非常に 
美しい日であったそうです。」 
 
「そうそう、当時は戦乱の時代だったと、地球の 
歴史で習ったぴょん。」 
うさぴー少佐がうなずきます。 
 
「広い宇宙に飛び出した戦艦蓬莱は、謎の烏賊 
型宇宙忍者との死闘を繰り返しながら、やはり 
正体不明の宇宙蝸牛の助けも借りて、10年に 
及ぶ冒険旅行の末、この小惑星にたどり着いた 
と伝えられています♪」 
 
「わあ!烏賊型宇宙忍者♪♪」 
ユウ中佐は、目をまん丸にして身を乗り出しました。 
 
「蓬莱市建設の物語は、何度も映画化や小説化 
されて、もう本当の歴史と脚色の境目が誰にも 
わからないんです・・・おそらく、ここに辿り着く 
までに、とてつもない苦労があったということだと 
いう説が、最も有力です。宇宙船のデザインも、 
推定復元図なんですよ♪」 
 
星姫は、微笑みながら物語を続けます。 
 
 
 
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