「こうして、10年におよぶ漂泊の末、宇宙戦艦蓬莱は今の蓬莱市が
ある小惑星にたどりついたのです。そのときの様子は、多くの絵や
伝説で伝えられていますが、これは28世紀に制作された電子水墨
のひとつです。」
 
「わぁ〜!水墨画がアニメーションしてるぴょん♪♪」
星姫が指し示す山水画風の掛軸を見て、うさぴー少佐は目を輝かせ
て驚きました。
 
 
 
「そのとき、戦艦蓬莱を指揮しておられた星提督が詠まれたが、
現在の蓬莱市国歌の原形として、ずっと人々に愛唱されています。」
 
「どんな歌ですか、、ぜひ聞かせてくださいませんか♪」
 
ユウ・オートモ中佐がお願いすると、星姫はにっこり微笑みながら
ゆっくりと歌いはじめました。
 
 
空間座標   一三○五
七三六  九○二   快晴
 
小惑星を   左舷に発見
資源を求め着陸  せんとす
 
翌日10時   距離は8000
探査艇3隻出す  無事着く
 
表面温度    マイナス40
地表の岩石を採取   分析
 
・・・・
 
 
「歌というか、航海記録みたいだぴょん、、」
 
うさぴー少佐のつぶやきに、ユウ中佐はうなずきます。
「そう、、蓬莱市の人たちにとってはこの航海記録に、地球の新大陸発見
のお話と同じような意味が、きっとあるのかもしれないね、、星提督ご自身
は、今ごろ超びっくりしてるんじゃないかなあ♪」
 
 
 
もどる       Topへ       すすむ