クリス大佐モリス大佐のふたりは、艦隊輸送艦アンデスの中央指揮所で
L−25号とピヨリーナちゃんが帰還するためのコースを、立体シミュレータ
使って計算しています。
 
「イソイデ、もりす大佐!L−25号ノすぴーどハ、予想ヨリカナリ速イミタイ・・・
軌道修正ノたいみんぐガ遅レタラ、全テノ計算ガ、最初カラヤリナオシダワ」
 
「了解、くりす大佐。戦艦ちょもらんまトあんなぷるなノ計算機モツカッテ、
並列処理デ計算シテミルワ。」
 
こうして算出されつつある軌道データは、ピヨピヨ艦隊の巡洋戦艦ピヨラー
電送され、格納庫内のピヨリーナ3号機に内蔵された大出力テレパシー通信
機から、ピヨリーナ7号機に向けて発信されているのです。
 
 
「・・・くりす大佐、コノ軌道ヲ正確ニタドレバ、L−25号タチハ残リノ燃料デ
地球ニ帰ッテ来ラレソウネ」
 
立体シミュレータに表示されたひとすじの線を見ながらモリス大佐が言うと、
クリス大佐もほっとした表情でうなずきました。
 
「ソウネ。軌道計算完了!・・未知ノぶらっくほーるナドガナイカギリ、コレデ
ゆう中佐タチハ地球ニ帰ッテコラレルワ。」
 
 
・・そう言ったあと、クリス大佐は不意に自分の言葉に不安をおぼえました。
 
 
「念ノタメ、ワガ軍ノ宇宙地図トぴよぴよ軍ノ宇宙地図ヲ、照合サセテモラエナイ
カシラ。ピヨピヨ軍ノホウガ、外宇宙ノ情報ハ詳シイハズダシ・・」
 
「了解、作戦参謀くりす大佐。用心回路ガ私ヨリ高機能ノヨウネ」
 
モリス大佐は少し微笑むと、ペンダー中将たちピヨピヨ軍に相談するため
ブリッジへと向かいました。
 
 
 
 
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