(・・・こちらピヨリーナ3号。ピヨリーナ7号、わたしの声が聞こえるピヨ?・・)
 
宇宙の彼方をL−25号とともに駆け巡るピヨリーナ7号のテレパシー通信機
に、とつぜん聞きなれた僚機の通信がとどきました。
 
(3号さん、、かすかにだけど、ちゃんと聞こえるピヨ!)
 
ピヨリーナ7号が、相手と同じようにテレパシー通信で答えると、3号機は
ほっとした様子で話をつづけます。
 
(7号、よく聞くピヨ。これからコースのデータを送るから、地球のロボットと
力を合わせて、いっしょに太陽系にもどってくるピヨ。燃料が足りなくなるから、
かならず協力しあって軌道修正のロケット噴射を行うピヨ。)
 
(わかったピヨ・・・話をしてみるピヨ)
 
テレパシー通信機が、送られ始めたデータの受信で手いっぱいのピヨリーナ
7号機は、どうやって話をしようかとL−25号のコクピットをのぞきこみます。
 
 
「わあ、うさぴー少佐、ロボットがこっちを見てる!!」
 
「うん・・・大きな、やさしい目だぴょん。どうしたんだろう・・」
 
『どうしたの』とたずねようと、ユウ中佐は一生懸命身振り手振りを繰り返し
ますが、異星のロボットには、なかなか意味が伝わりません。
 
「そうだぴょん♪」
 
うさぴー少佐は、操縦席の大きめのディスプレイに2人の人が話をしている
を表示すると、ピヨリーナ7号機の方を仰ぎみました。
 
ぱち、ぱち、ぱち。
 
すると、ピヨリーナ7号機は3回、まばたきを返します。
 
「それってYESなの?・・・話をしたいぴょん?じゃあ、これは・・・」
 
うさぴー少佐が、こんどは握手している人の絵を表示すると、ピヨリーナ7
号機は何度もまばたきをくり返しながら、はげしくうなずきます。
 
両者の間に、少しずつ会話が成り立ちはじめました。
 
 
 
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