「おはよう、ピヨリーナ7号ちゃん、ポッポ。」
電源が投入されシステムが起動したピヨリーナ7号機は、
仲良しのコバト少佐の声に、薄暗い格納庫で目をさましました。
「コバト少佐・・・おはようピヨ♪」
エネルギーの不足から、3年ぶりに起動されたピヨリーナ7号機は
コバト少佐の顔を見ると、にっこり笑いながらたずねます。
「今日のお勉強は、数学とピヨピヨ語だったピヨ?」
「ピヨリーナ7号ちゃん、よくきくポッポ。実は、出撃準備命令が出たの・・・
戦争が始まるかもしれないのよ、ポッポ。」
「戦争?」
ピヨリーナ7号機は怪訝そうに、コバト少佐の緊張した顔をみつめ
返します。
「ペンダー中将が和平交渉に向かったから、準備だけで、正式出動が
ない事を祈ってるポッポ。」
「・・戦争って初めて聞くことばだピヨ。まだ習ってないピヨ?」
「え!?ピヨリーナ7号ちゃんは、自律型の戦闘ロボットだポッポ!」
「自律型電子頭脳は、使わない記憶は消えていくピヨ。私はお勉強して
学校の先生になるんだピヨ」
ポッポ・コバト少佐は、ピヨリーナロボットの戦闘システムが長い航海の間に
すっかり機能しなくなっているのに気づいて、愕然としました。
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