怪しい星団の正体を確かめようとして宇宙空間を進むうち、ユウ
中佐たちは月面基地からずいぶん遠くまで来てしまいました。
 
「わあ、、今何時だぴょん!?」
 
「しまったにゃ〜!!もう要塞の始動時刻になりそうにゃ!!」
 
ルナ10号がUターンして月面基地に向かおうとした瞬間・・・・
強烈な磁気の波が、宇宙空間に向かって放出されたのです。
 
 
「三次元もにたー、機能停止シマシタ!」
 
「むう、、こんな所まで磁気嵐が届くのか・・・!?」
 
木星軌道上で交戦中の戦艦アンナプルナ艦橋で、後北条元帥たちは
機能喪失したモニターを前にボウゼンと立ちつくします。
 
ザアアーーーーーーーーーー
 
砂嵐のような電子音に混じって、かすかな音が聞こえてきます・・・
 
とっく、・・・とっく、・・・とっく、・・・とっく、・・・
 
「なんだろう、、この音は」
 
「磁力ノ強弱ノ波ニ、戦艦あんなぷるなノ船体ガ振動シテイルヨウデス。」
 
 
その不思議な音は、地球艦隊の乗員だけでなく、ピヨピヨ艦隊の
将兵も、ルナ10号のユウ中佐、ミャア少佐も、ポォ中将たちの
艦隊も、地球上のいや〜ん司令たちも・・・みんなみんな包み
こむように広がっていきました。
 
どういうわけか、それを聞いた全員が、落ち着いた明るい気持ち
になっていきます。
 
「・・・妙な感じだ。どんどん戦意が失われていくぞ・・・」
後北条元帥のつぶやきに、クリス大佐がうなずきます。
「私タチガ生マレタ工場ノ、モーター音ニ似テイマス。」
 
ピヨピヨ軍の旗艦ピヨダでは、ネリエガスキー元帥がハッとして
叫びました。
「こ、この音は・・タマゴの中で聞いた母上の音だピヨ!」
 
「まるで胎内音だぴょん・・・なぜこんな音が??」
小首をかしげるユウ中佐の窓の外に、木星軌道上で戦うたくさんの
宇宙軍艦の前に・・・もやもやとした雲のような物質が現れ、
だんだんと人の形になっていきます。
 
いつのまにか、砲声はやんでいました。
 
 
 
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