連絡艇が大型の宇宙軍艦に接舷すると、トリス大佐とぽぽりんは
緑色のピヨピヨ軍兵士から士官に引き渡され、船体上部のブリッジ
らしい部屋に連行されました。
 
「提督、漂流中の地球軍ロボット将校と、冷凍状態の我が軍兵士を
収容しましたピヨ!」
 
「ポォ〜、ごくろうでしたポォ。」
 
複雑な重力場や太陽風の目盛が浮かんだ三次元モニターを背に
大きな肩章を付けた将官らしいピヨピヨ星人が穏やかに答えます。
 
 
 
 
 
「あ、あなたは・・・」
 
提督と呼ばれるピヨピヨ星人の顔を見た瞬間、トリス大佐は
ぽぽりんがピヨピヨ星人の一種族に間違えられる理由を理解
しました。
 
重巡ラピヨンにようこそ・・・わたしはピヨピヨ軍地球攻略艦隊
第752戦隊指揮官のポォ少将だポォ。・・・あなたは?」
 
「私は地球艦隊司令部付、元情報参謀トリス大佐。こっちは・・」
 
「・・・ポォ〜、私と同じポッポ族にまちがいありませんポォ。
よく救助してくださいました!私たちは同じ宇宙の船乗り、
難破したときは敵も味方もありません。ゆっくりと疲れを
お癒しくださいポォ」
 
「いえ、ぽぽりんは本当に地球人なんです!」
 
トリス大佐のことばに、ポォ少将は丸い顔を少しかしげます。
 
「ハテ・・・。戦前に地球に帰化したピヨピヨ人もいたポォ・・・?
いずれにせよ仲間にしか見えないポォ。部下が艦尾の士官室へ
ご案内しますから、安心して解凍なさるとよろしいポォ〜」
 
デッキからブリッジまで2人を連れてきた士官は、ポォ少将に
敬礼すると、再び2人を案内して艦内通路を歩きだしました。
 
トリス大佐はまだ若干の不安を覚えながら・・・凍ったぽぽりんを
かかえて士官のあとをついていきます。
 
 
 
 
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