「きゃッ!!」
 
トリス大佐があれこれ迷っているうちに、ピヨピヨ艦隊の連絡艇が
ぐっと接近してくると・・・船外マニピュレータを伸ばして、トリス大
佐のアタマをガッチリ捕まえてしまいました。
 
「わあ、捕虜になっちゃう・・・それとも銃殺かな?」
 
マニピュレータでエアロックに運ばれたトリス大佐とぽぽりんを、
大きな銃をかまえたピヨピヨ軍兵士たちが待ち受けています。
 
「貴官らは我が軍の捕虜だピヨ!おとなしく収容されるピヨ。」
 
 
猛スピードで残存エネルギーと自分の戦力を計算したトリス
大佐は、逃れられる確率が0.2%以下と知って小さくうなず
きます。
 
「貴官らは、沈没した地球戦艦の元乗員だピヨ?見たところ
将校のようだピヨ。宇宙標準戦時協定に基づき、将校待遇
を受けられるピヨ!そちらの冷凍冬眠しているほうは・・・」
 
「ピヨピヨ!??」
 
半ば霜のとけたヘルメットごしにぽぽりんの顔を覗き込んだ
ピヨピヨ軍兵士たちは、びっくりしたように顔を見合わせました。
 
「ピヨピヨ星人ポッポ族だピヨ!貴官が救難してくださったピヨ?」
 
「いえ、ぽぽりんは地球人だけど・・・」
 
「ごまかす必要はないピヨ。・・・地球人は野蛮な非文明人と
思っていたけど、敵の遭難者も救助するとはあっぱれですピヨ。
こちらへどうぞ、士官室へ案内しますピヨ!」
 
ピヨピヨ星人たちはぽぽりんを同胞と思い込み、説明しても
わかってもらえません。
 
 
 
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