ピオ〜〜〜ン
 
2人の心が融合し完全に一つになった瞬間、幻術空間全体に響きわたる
純粋な音声を発しながら美しくエネルギーに満ちた生き物が誕生しました。
 
「ピオン・・・ピオン! これがボク?これがワタシ・・・?」
 
その雄叫びは元の2人の口癖が混じったようでしたが、発するたびにその
強烈で純粋なエネルギーで空間全体がキラキラと輝きわたります。
 
Pion
 
「・・・そう、ボクはピオン。霊獣非怨。」
 
ピオンが目を閉じると、宇宙の成り立ちと存在の意味が、空間と時間を
支配する約束事と因果律の秘密が、はじめから知っている事のように
心に浮かびあがってくるのです。
 
「目に見えること、身体で感じること、全ての事は知覚作用の結果に
すぎない・・・実体がない。逆に知覚作用そのものが、我々にとって
実体ともいえるのだ。
 
それでも、知覚する自分自身は確かに存在する。同じように知覚する
別の自我、他者の存在もどうして否定できようか・・・。およそ生きとし
生けるものはシアワセに生きなければならない。
 
では、シアワセとはなにか。大きな願い、小さな願い、一つ一つの願い
が叶えられる積み重ねによって形成されるより高度な自己の実現。
 
そうであるなら、願いを叶えるとは・・・? 願いを叶えるには・・・?」
 
ピオンが想いを巡らすうちに、空間はいっそう輝きを増しながら徐々に
現実の空間、イヤポポリス桃十字タワーへと重なっていくのでした。
 
 
 
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