にゃアアア〜〜〜!
 
いつの間にか3人は、妙なネコの鳴き声がひびく夜の山道を、白い自動車に乗って走
っていました。スイカのカメも4本の足を車輪に変えて、前方の車道を走って行きます。
 
「むう!右側を逆走しちょる。誰が運転しちょるんぢゃ?」
 
「ぱおぱお〜!ボクはメカクシしてるから運転できないヨ」
 
「アラ!この車、ハンドルとか付いてないじゃないの!?」
 
どうやら白い自動車は、ひとりでにスイカを追って走っているみたいです。
 
 
「麿を捨てて行かないでたも〜」
 
ふりむくと、お公家様は無気味な怪獣にすがたを変えて、自動車についてきていました。
 
「イヤ〜!お人形さん、ゴメンナサイ〜、ゆるして〜!!」
 
「落ち着くんぢゃ、潤子ちゃん。これはピヨピヨ星人の幻術ぢゃ!」
 
「ぱぱ、ぱお〜〜ん」
 
山道にひびくネコの声を聞いていたいや〜んが、突然叫びだしました。
 
「こ・・・ここはもしかして、猫鳴峠!?イヤダ〜!ぼく帰る〜!」
 
「なんぢゃ?どうしたんぢゃ、いや〜ん」
 
「ぽぽりん、この道はテッペンで大きな猫が鳴いてる、山のトンネルに続いてないかい?」
 
「おお!ホントぢゃ。大きなネコぢゃ」
 
いや〜んは、泣きそうになって言いました
「・・・やっぱり?ああ、ここはセンパイによく肝試しに連れて行かれた猫鳴峠なんだ〜!」
 
「ネコナキ峠?なるほどネコがないちょるけど・・・」
 
「このトンネルはね・・・出るんだよ!夜中に白い車で通るとヤバイんだ〜。入り口に公衆
電話があるでしょ・・・?受話器から女の人の鳴き声が聞こえるって噂の恐怖の電話が・・」
 
ぽぽりんが目を凝らすと、入り口のそばに電話ボックスがあって、誰かが電話をかけている
のが見えました。
 
「だれかおる・・・」
 
いや〜んは恐怖でとうとう泣き出してしまいました。
「ここはかなり人里離れた場所なんだ!その人が乗ってきた車は見えるかい!?」
 
「・・・いや」
 
おもわずゾッとする3人を乗せたまま、白い自動車はスイカを追ってトンネルにぐんぐん
近づいていきます。
 
 
 
 
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