エンジェルか・・・  ある意味そうかもしれない」
 
みぃなさんがハッとしてふりむくと、壁のモニターの一つに奇妙な風景が映っています。
 
その子は、宇宙植物と一体化したボクとランちゃんとの間にできた種子なんだよ。だけど
同時に、今のボクら自身の心を宿すカラダでもあるし、もはやボクらとは別の新しい生き物
だともいえる。キミならわかるだろう?人を超えた人、人造人間みぃなさん。」
 
 
やどらんさん! ナゼにゃ? モニターにやどらんさんが・・・!?」
 
「ボクらの中の宇宙植物の細胞は、生物・無生物、何とでも一体化して、精神的にも合体
できるんだ。たった今、壁の中のケーブルから病院のネットワークと合体したんだよ。
 
ボクらは、オンライン上のすべての機器を手足のように動かせるし、サーバ上の全ての
データはボクらの知識の一部になった。みぃなさんの事も、ずっと知ってる感じだよ。」
 
「どうしてにゃ?  なぜサーバなんかと合体するのにゃ?」
 
「おそらく宇宙植物の本能かな。エンジェルの心の宇宙植物の部分は、ボクらには制御
できない。エンジェルは本能に従って、まわりの人間、機械、すべてを取り込んで完璧な
生き物になりたがっている!」
 
浮き輪で遊んでいるランちゃんが言います。
「エンジェルの心の中は、画面からもわかる通りとても穏やかだわ。わたしたちは、このまま
エンジェルの一部でもかまわない気がしているの・・・
 
でも、合体を望まない人もいるかもしれないでしょ?わたしたちは警告のためにモニターに
現れているのよ。」
 
「みぃなさん、急いで!カベを伝って行ったツルは、ほかの病室を襲い始めているよ!」
 
 
「それをはやく言うにゃ〜!」
 
飛び上がるようにして叫ぶと、みぃなさんは再び廊下にかけ出します。
 
 
 
 
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