「入隊式、もうすぐだね。クリス姉さん、わたし緊張してきちゃった、、」
「うん、わたしも!」
トリス大佐の記憶を映し出す画面に、今度は2人が制服を着て、様々な形式の
ロボットたちと一緒にどこかの建物で整列している様子を表示し始めました。
「だけど姉さん、宇宙に行ってみたいからっていうだけで宇宙海軍に入って、
わたしたち大丈夫かな。」
「そ、それだけじゃないもん!」
制服のクリスは、心外だという表情でトリスに答えます。
「軍用アンドロイドになったら燃料も支給されるし、交換用のパーツにも困らなくて
すむでしょう?第一、地球を守るってとても大事な仕事じゃない。」
「でも、姉さんも宇宙に行ってみたいでしょう?」
「う・・・うん。まあね♪」
「クリス大佐たち、そういう動機で宇宙海軍にはいったんだ、、」
ユウ中佐があきれたように言うと、モリス大佐が画面のクリス姉さんそっくりの
口調で反論します。
「クリス大佐も言ってるように、最新技術を駆使したクリス型アンドロイドをいつも
動けるようにしておくには、膨大な維持費がかかるんです。ふたりが宇宙海軍に
入ったおかげで、3号機以降の実稼動の目処が立ったわけですし・・・・」
「だけど、ふたりともずいぶんのんきな様子だよ?」
「この時期は第一次惑星戦争直前で、金星都市国家連合と地球の関係は悪化の
一途をたどっていましたから、2人とも不安や恐怖でいっぱいのはずですが、、
ふたりとも持ち前の明るい性格で、楽しい事を考えながら過ごしてたんでしょう。」
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