「クリス大佐!!」
 
ぽぽりんと衝突した反動で若干減速したクリス大佐は、ぽぽりんのちょうど
両脇にいた星姫さまトリス大佐に支えられて、危うく彗星丸の屋根から飛
び出すのを免れました。
 
「クリス大佐、しっかりなされよ!」
 
星姫さまは、両手でクリス大佐を抱きかかえたまま、無線で呼びかけます。
 
「大丈夫、クリス大佐は燃料切れで動けないだけでしょう。私たちクリス型ア
ンドロイドは、20センチ砲の直撃にも耐えるように設計されていますので」
 
クリス大佐に損傷がないのを確かめながら、トリス大佐がそう言うと、星姫さ
まは2人の顔を交互に見つめながら静かにうなずきました。
 
「姫さま!ピヨピヨ星人との和平のために、重力刀の技術が必要なんでやす!
果敢に姫さまに挑んだクリス大佐の心情を、どうぞご配慮なさっておくんなせ
い。」
 
「・・・そうでしたか。はっつぁん、事情はよくわかりました。」
 
星姫さまは、襟元のポケットから万能扇子を取り出すと、気を失ったままのク
リス大佐にしっかりと握らせました。
 
 
「そうそう、ぽぽりん氏は!??」
 
トリス大佐が急いであたりを見回すと、ユウ中佐うさぴー少佐の姿が見
当たりません。
 
「トリス大佐!突撃艇でぽぽりん氏を追うんだぴょん。ボクら、先に出発
するから、トリス大佐もすぐ来てくださいぴょん!」
 
うさぴー少佐の無線を聞いて、彗星丸の翼のほうを振り向くと、ちょうど
ユウ中佐とうさぴー少佐が、乗ってきた突撃艇で出発するところでした。
 
「了解しました。わたしもすぐ行くわ!」
 
トリス大佐も、彗星丸の主翼の上に駐機しておいた突撃艇へと急ぎます。
 
 
 
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