宇宙重巡洋艦ジブラルタルの艦隊は、すでに火星の軌道近くまで到達して
いました。
 
「クリス大佐、これを・・・」
 
重巡ジブラルタルの艦尾飛行甲板に無事に降り立った星姫さまは、襟元の
ポケットから万能扇子を取り出すと、重力刀モードにしてクリス大佐にさしだ
します。
 
「コ、コレハ!?」
 
目を丸くするクリス大佐をまっすぐに見つめて、星姫さまは静かに言いました。
秘宝・重力刀です。ピヨピヨ星との和平のために、これが必要なのでしょう?」
 
 
「イケマセン!私ハ、アナタニ勝テナカッタ・・・私ハ、ソレヲ受取レマセン!」
 
「あなたは、はっつぁんを助けてくださいました。これは、わたしたちの友情の
証しです。」
 
「デモ・・・」
 
「クリス大佐、ピヨピヨ星との和平を、必ず成功させるのです。」
 
星姫さまの真剣なまなざしに、クリス大佐はようやく小さくうなずくと、重力刀
を恭しく受け取りました。
 
 
 
 
 
 
まもなく、地球とピヨピヨ星は講和に成功し、両者の協力によって地球の公転軌
道上にたくさんの宇宙都市の建設が始まりました。これらの宇宙都市は、ピヨピヨ
星人たちの第二の故郷となるのです。
 
宇宙都市の建設には、うさぴー少佐が持ち帰った量産刀、星姫さまから譲ら
れた重力刀、2本の刀に使われている重力制御技術がふんだんに活用され、
予想をはるかに超えるペースで建設が進んでいきました。
 
もちろん、グラサンレッドをはじめ、小惑星ギドラから生還したメンバーも、宇宙
都市建設のための調査や測量に、おおいに貢献したのです。
 
 
 
クリスはっつぁん漂流編・完
 
エピローグ
 
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