「アレ・・・・ココハイッタイ・・・??」
  
両肩に内蔵された太陽電池で少しずつ充電されたクリス大佐は、ようやく
電子頭脳の起動に必要な電力を回復して、意識をとりもどしました。
  
「あ、気がついたでやすね!よかったでやす。おけがはありやせんか?」
  
はっつぁんに無線で話しかけられたクリス大佐は、手足をうごかそうとしまし
たが、モーターを駆動させるには電力が足りないらしく、手足はピクリとも
動きません。
  
「マダ電力ガタリナイミタイ・・・。私ハ星姫ニトビカカッタ瞬間にガス欠ニナ
ッテ・・・、アナタニブツカッタノネ。」
 
「無理なさらず、ゆっくり充電しておくんなせい。今、流星群の真っ只中を通
過中でやすが、あっしがになって守っておりやす!ずっとSOSも発信して
おりやすから、じきに助けが来るでありやしょう。」
  
クリス大佐は、相手の様子から、すでに隕石がいくつか衝突しているらしい
ことに気がついてびっくりしました。
  
 
  
  
 
「ダ・・・大丈夫ナノ!?」
  
「あっしは超頑丈なのでへっちゃらでやす。それより、アンテナが一本壊れて
しまったんでやす。万一もう一方のアンテナが壊れたときには、どうかSOS
の発信を交替しておくんなせい。」
 
クリス大佐はうなずこうとして、首のモーターも動かないことに気づきました。
「了解シマシタ・・・。トコロデ、オ名前ハ?」
  
はっつぁんは、少し照れくさそうに答えます。
「あっしは蓬莱市のおもちゃ問屋の番頭、はっつぁんでやすよ♪」
  
「ハッツァン・・・・。アリガトウ、ハッツァン。」
 
クリス大佐とはっつぁんは、隕石の飛び交う宇宙空間をなおも進んでいきます。
 
   
 
 
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