「おお!あなたは・・・・」
 
「星姫見参。」
  
後北条元帥モリス大佐が戦艦チョモランマ の最上階にある露天
艦橋に駆け登る と、ちょうど星姫さまが 深紅のマントをひるがえし
ながら乗り込んでくるところでした。
  
「アアッ!アナタハ星姫・・・・ク、クリス大佐ハ?!」
モリス大佐が無線で呼びかけると、星姫様の凛とした声が、やはり
無線を介して返ってきます。

「大丈夫。クリス大佐はついに本 体の燃料も尽きて、彗星丸に倒れて
います。私たちはお互いベストを尽くして戦い、そして私が勝ちました。
・・・戦いの前のことば通り、直ちにピヨピヨ軍との和平をお 願いしたい。」
 
後北条元帥は、一歩進み出て星姫様に答えます。
「私は後北条元帥、地球艦隊の責任者です。蓬莱市の姫君、まずは
お会いできて光栄と申し上げましょう。」
 

 
「直ちに和平を、とのご提言、できることなら私もそうしたいのです。
しかしながら、ピヨピヨ艦隊は深刻なエネルギー不足に悩ん でおり、
クリス大佐も申し上げた通り、和平の実現のためには姫君の刀の
重力制御技術を、 ぜひともお譲りいただきたいのです。」
 
静かに聞いていた星姫さまは、少し考えてからゆっくりと言いました。
「そういう事情だったのですか・・・・ よくわかりました。」
  
「おおお!では、お譲りくださるのですか?」
  
「この刀は、先祖代々伝わるで すが・・・後北条元帥、あなたに
ャンスをさしあげま しょう。剣術、武術、何でもあなたの得意なもので
勝負して、もしあなたが勝てばこ の刀をお譲りします。」
  
「どんな分野の勝負でも、私が選んでよいとおっしゃるのですか・・?」
後北条元帥の問いに、星姫さまは黙ってうなずきます。
 
「了解しました。勝負しま しょう。
 
 
  
 
艦橋で真剣なやりとりが行われているころ、うさぴー少佐一行は、
なんとか戦艦チョモランマにたどり着き、開いている後部のハッチ
から艦内にすべりこみました。
 
「わ〜い!やったね、うさぴー少佐♪♪」
 
「うひょ!地球の船は、大きいでやすね。あとで案内してくだせい
やし♪」はっつぁんも、 ほっとした様子で艦内をきょろきょろと見
回します♪
 
「うん、なんとか助かったぴょん。・・・早くこの扇を届けなきゃ!
 
 
 
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