うさぴー少佐たちが彗星丸のエアロック付近で身をのりだしてがん
ばっているちょうどそのころ、屋根の上ではクリス大佐星姫さま
素手の戦いの真っ最中でした。
  
「エイッ!!」
 
ガ シッ!
  
クリス大佐が気合とともに繰り出したパンチは、星姫さまの右腕 に
ガードされ、ヘルメットの横をわずかにかするだけです。
  
「たあッ!!」
 
ガ シッ!
  
星姫さまがくりだすパンチも、 クリス大佐の眉間の寸前で、やはり
がっちりとガードされ、お互いのパンチはなかなか相手に有効な
一撃を与えることができません。
 
 
「いい腕前ね、クリス大佐。流儀を 聞かせてはくれまいか」
 
「コレハ、宇宙海軍標準格闘技、地球ヲ護ル大気拳!!」
 
クリス大佐の答えに、星姫さまは深く納得したようにうなずきます。
  
「わたしのは、蓬莱市に開闢以来伝わる天空拳。拳の打ち
かた、防ぎかた、おそらくどちらも元は同じ拳法だわ・・・・」
  
双方とも相手に有効な打撃を与えられないまま、クリス大佐と
星姫さまの互角の戦いが 続きます。
 
 
  
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