「後北条元帥、私ガ突撃艇デ出マス!」
 
地球艦隊旗艦チョモランマの艦橋で、謎の飛行物体の接近をモニターしていた
後北条元帥は、作戦参謀クリス大佐の出撃申請に、少し驚いてふりむきました。
 
「おおお!!きみが光子エネルギーサーベルの使い手なのは知っているが・・・
作戦参謀のきみが、白兵戦に出るのは危険すぎるぞ!」
 
心配そうな後北条元帥を、クリス大佐はまっすぐに見つめ返して言います。
 
「艦隊防衛ハ、私ノ任務ソノモノデス。・・・ソレニ、コレマデニ得ラレタ相手ノ武装・
機動力カラ分析シテ、小型ノ突撃艇デナケレバ対抗不可能デス。元帥、行カセ
テクダサイ!!」
 
「むう・・・ そうか」
 
しばらく考えてから、ようやく後北条元帥はうなずきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
艦載突撃艇は、宇宙海軍が開発した一人乗りの白兵戦用小型宇宙船です。
軍歴の長いクリス大佐は、慣れた様子で格納庫に並ぶ突撃艇の一機に飛び
乗ると、直ちにカタパルトから出撃していきます。
 
『クリス大佐、コチラトリス。聞コエル?』
 
クリス大佐が宇宙空間に発進するとすぐに、内蔵無線機に同僚のトリス大佐
からの通信が飛び込んできました。
 
謎ノ飛行物体ハ、進路ヲ変エズ依然高速デ接近中。コチラノ砲弾ヲ巧ミニ
防グダケデ、ムコウカラノ攻撃ハナイケド、接近意図ガワカラナイノデ充分ニ
注意シテネ!
 
ソレカラ、ピヨピヨ軍ガピヨリーナ型戦闘ロボット、6号機ト8号機ヲ援護ニツ
ケテクレルソウヨ。偵察ノツモリカモシレナイケド・・・マモナクソチラニ合流スル
ハズダワ』
 
「了解。」
 
ピヨリーナ6号・8号と合流したクリス大佐は、艦隊中心部に今なお接近中の
星姫さまと彗星丸に向かって、徐々にスピードを上げながら揃って進んでいき
ます。
 
 
 
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