「早く保健室に行くパオ!」
 
教卓によじ登ったいや〜んは、保健室へ連れて行こうとぽぽりんの
手を引っ張りましたが、ドウイウわけだかそのカラダは根が生えた
ように重くて全く動かすことができません。
 
 
「ピ・・・ギャッ!」
 
いや〜んが悪戦苦闘しているうち、ぽぽりんがスルドイ悲鳴を上げました。
見ると、ぽぽりんの両目がとうとう頭蓋骨内部の圧力に負けて顔から外れて
しまったようです。
 
「をを・・ワシはもう・・・CGも描けんし潤子ちゃんと旅も続けられん・・
ワシは・・ワシは、もうダメぢゃ!」
 
「シッカリするんだゾー!これはピヨピヨ星人の幻術、恐怖感攻撃
過ぎないパオ!・・・でも、どうしてボクでなくぽぽりんを攻めるパオ?」
 
「・・たとえ幻術でも、ワシはもうこの苦痛と絶望感に耐えきれん!・・・
いや〜ん、ピヨピヨ星人はいや〜んに身近な者が壊れる恐怖と絶望感
を与えようと攻撃しちょるんぢゃ・・ワシが壊れても負けるな、いや〜ん」
 
ぽぽりんの眼窩からは、内部の圧力で脳の一部も流れ出しています。
 
「でも、ぽぽりん!!ボクどうすれば・・・」
 
「・・・イ、イタイヨ〜!ママ〜・・・イタイ〜」
 
徐々にぽぽりんは正常な思考を失っていくようでした。見る見る壊れて
いくぽぽりんを前に、いや〜んはなす術もなくただその手を握りしめる
ばかりです。
 
 
 
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