「しっかりして、ぽぽりん!!」
潤子ちゃんの声に我に返ったぽぽりんが恐る恐る目を開けると、
すぐそばにいや〜んと潤子ちゃんが心配そうに立っていました。
「トンネルに入ったとたん、白いクルマは消えちゃうし、ぽぽりんは
ワケのわかんない事叫び出すし、ビックリしちゃったわ!」
「スマン。どうやら、ピヨピヨ星人の個別攻撃をくらったようぢゃ・・・
でも、もう大丈夫。さあ、スイカを追って出発ぢゃ!」
元気に言ったものの、ぽぽりんはまだ面フク郎クンたちが近くにいる
ような気配を感じて、心がヒリヒリと痛みました。
(ピヨピヨ星人侮りがたし!用心せんと負けてしまいそうぢゃ・・・)
スイカのカメを追ってトンネルをどんどん進むうち、路面やカベの状態が
岩や土がムキダシの、まるで手掘りみたいになってきました。トンネル
自体も、ズイブン細く曲がりくねっています。
「あれ?お坊さんが続きを掘ってるわ!あそこで行き止まりなのかな?」
「パオ〜!追いつめたゾ〜。」
ところが、スイカのカメは勝手に小さな脇道を掘って進み始めました。
「シマッタ!カメの掘った穴は小さすぎて追いかけられん!困ったのう」
「お坊さん、カメを追いかけるのを手伝っていただけないでしょうか?私
たち、どうしてもスイカを叩かなきゃならないの!」
お坊さんはトンネルを掘る手を止めて振向くと、静かに言いました。
「私は前半生に犯した罪を償うため、残りの生涯をかけてこの蒼の洞門を
完成させねばならんのだ。進むべき道がないなら、自分で掘りなさい。」
「うむ・・・ピヨピヨ星人に勝利するには、ワシらが自分で掘るしかなさそう
ぢゃ。カメに掘れる堅さの地面ぢゃけえ、ワシらにもキット掘れる!」
3人が決心してスイカのカメの穴のまわりを掘って広げ始めると、お坊さ
んは黙って予備のノミと金槌を貸してくれました。
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