「おお・・・」
 
ぽぽりんの夢の中で、やどらんの周りが急激に明るさを増すと
やがて巨大な空間がすがたをあらわしました。
 
 
「やあミナサン、よく来てくれたネ!」
 
ぽぽりんは、スグそばに潤子ちゃんたちもいる事に気がつきました。
 
「ここは・・? ワシの夢の中デワないんか?」
 
「ここはもうエンジェルの心の中だよ、ぽぽりん! もちろんぽぽりんの
夢の中ともいえるし、エンジェルとカラダを共有する全員の夢の中でも
ある。共同幻想というか、ミンナが共有する精神世界なんだヨ。」
 
ぽぽりんは、明るい光やソヨカゼをヒフに感じて驚きます。
 
「なんというリアルな夢ぢゃ!風が薫るようぢゃ・・・」
 
「エンジェルのコントロールで、ここでは視覚・聴覚とかの五感が完全に
シミュレートされているんだよ。現実世界とちがうのは、望みさえすれば
どんなことでもスベテ実現される事だ。
 
 
ここに来たみんなはトリアエズ、雲の上に巨大な豪邸を建ててみたり
何兆、何京円ものお金を出してみたりしてるけど、そういう事はアマリ
意味がないって、じきに気づくだろう。ナニシロ、命を維持する活動自
体はエンジェルの光合成にオマカセなんだから・・・」
 
「スバラシイところかもしれん・・ワシ、来る途中に夢を見て、やどらんと
ずっとここにいてもカマワンと思い始めちょるんぢゃ・・・」
 
「潤子も、夢を見たわ。人は、進化してもいいかもって、ちょっと思う・・・」
 
「ぢゃが、ワシらは精神的な自由と無限の時間と、ヒトとの理想的な共
存を手に入れて、これから何をして過ごしたらええんぢゃ?
 
考えるんだよ、ぽぽりん!この世界がモット繁栄するか、閉塞感で自滅
するかは、ソコにかかっているんだ。イッショに、すばらしい未来を築いて
いこう。」
 
ぽぽりんとやどらんは、互いに歩みよるとシッカリと手を取り合いました。
 
 
「やどらんと、こうしてジカに接するのはヒサシブリぢゃのう。」
 
「これも、エンジェルがシミュレートした姿ではあるんだけどネ」
 
笑顔でかたる2人に、みぃなさんが心配そうに声をかけました。
 
「博士が・・諸尾博士がいないにゃん!」
 
「博士はネ、突撃砲からヒトリ脱出に成功して、もも十字タワーに退却中ダヨ」
青空に浮かぶ、エンジェル自身の文字化された意識を読み取りながら、やど
らんが答えます。
 
「突撃砲が撃破されちゃってるイマ、博士がコチラに来るのも時間の問題
だとおもう。心配ないよ。自決とかしないように、エンジェルが注意してる。」
 
博士の無事を知って、みぃなさんとにゃにゃ子さんは少しホッとしました。
 
 
 
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