ぽぽりんは夢をみていました。
 
(これは・・・ ワシぢゃ。)
 
 
(クラバットが水色の、若いころのワシ。)
 
(ことばが変ぢゃけえとか言われて、ミンナになじめんワシ。)
 
(それでもムリに話しかけてイヤがられるワシ・・・)
 
 
(アコガレの子に告白して、ゼンゼン相手にされんワシ。)
(押しの一手が、超ヒンシュクをかったのう・・・)
 
 
(今オトナになったワシは、この頃よりは上手にヒトとつきあえるように
なったけど、それでもイザコザや意見の対立は必ず起きるものぢゃ。)
 
(それは、付き合い方を学ぶには自分をぶつけてみるしかないし、
妥協も和解も、ホンネ同士のぶつけ合いが在って初めて可能に
なるからぢゃ。コミュニケーションとは、そういうものぢゃ)
 
(とわいえ、昔から人はムキダシの本音で戦争ばかりしてきたし、
そうやってチョットずつ仲良く暮らす方法を勉強しちょるとしたら、
なんというエネルギーの無駄ぢゃ!人は矛盾に満ちちょる・・!
 
 
(諸尾博士は、他者との競争が価値を生むとも言った。たしかにスバラシイ
技術とかも生まれたけど、トンデモナイ悲惨な兵器もたくさん作られた事は、
だれでも知っちょる。みんな、自分がよりよく生きるように努力した結果デワ
ないんか?)
 
人は人であるかぎり、ヒトとの付き合いにこんなにもエネルギーと犠牲を投入
せねばならんのぢゃろうか?ぢゃったら、人が人である事に犠牲に見合う
ほどの価値が、本当にあるんか・・・?)
 
 
「ぽぽりん!神経組織が今、つながったヨ〜!」
 
 
トツゼンぽぽりんの夢の中にやどらんが現れ、ニコヤカに手をふります。
 
 
 
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