何年何十年たったのでしょうか?時間を知るスベをもたない
ぽぽりんは、歳もとらずおなかもすかないママ、漂い続けます。
 
考えてもしょうがないの・・・ トコトンはなぴょんのオモイデ話に
付き合ってみるしかなさそうぢゃ・・・
 
想像を絶する果てしのない慟哭のあと、ぽぽりんはツイニ覚悟を
きめると、星のカケラに横たわって静かに目を閉じました。
 
このときのはなぴょんは、星のカケラにくっついた、真空乾燥
状態の花のタネだったようぢゃのう
 
背中に触れる星のカケラはちっぽけではありましたが、自分以外の
タッタ一つの物でした。だんだんキモチが安定してきたぽぽりんは、
やがて星の一部のように、深い深いねむりに落ちていきました。
 
 
 
 
 
 
さらに何十年何百年かが過ぎました。
 
「・・・ウラシマ氏、銀河連邦地球大使に就任。大使は地球に漂着した
亀甲型宇宙船の救助に多大な功績を残された、・・・」
 
「・・・チューリップ座大星雲方面にねこの首暗黒星雲発生!注意・・・」
 
宇宙空間を越えてかすかに届くアナログ通信電波を、ぽぽりんを乗せた
岩塊の磁力を帯びた成分が、かすかに振動して再生しています。
 
もしぽぽりんが起きていたら、「ラジヲみたいな星ぢゃ~!」と驚いた
事でしょう。しかし、そんなフシギな現象にも気がつかないまま
ぽぽりんは眠り続けていました。
 
 
 
 
 
 
 
そして、ソノ物体が音もなく接近してきたときも、やはりぽぽりんは
まったく気づいていなかったのです。
 
 
 
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