イヤポポリス宇宙艦隊総覧
 
 
宇宙海兵隊拳銃 M2998

イヤポポリス宇宙軍は、艦隊を保有し主に宇宙空間での戦いを任務とする宇宙海軍と、衛星や他の惑星での揚陸作戦や災害救助を目的とする宇宙海兵隊の2つの組織から成り立っている。

図は宇宙海兵隊の創設以来使用され続けている標準的な拳銃、M2998。シリンダー式弾倉に、ロケット推進弾丸を6発装填できる。銃身から発射ガスを誘導するガスオペレーティングシステムにより、2発目以降は自動的にハンマーがコッキング位置にリリースされ、素早い連射が可能となっている。

赤外線誘導弾を使用する場合は、フォアグリップに内蔵されたレーザー照準器を作動させて目標を照射すると、弾丸側の誘導装置が照射位置を自動追尾する。

 
 
M38携帯ミサイルランチャー

2938年の制式採用以来、60年あまり使い続けられている宇宙海軍の標準携帯火力である。その仕組は、全長20センチの超小型ミサイルを発射するロケットランチャーで地上で約1500メートル、宇宙空間では約10000メートルの有効射程距離を持っている。ランチャー側の安全装置によってミサイル側の信管もロックされ、ホルスターに入れて安全に持ち運びが可能。弾頭は使用目的によって徹甲弾、榴弾、粘着榴弾など約20種類がある。

 
 
 
改訂 宇宙海軍士官制服(中尉)
 
3000年度の軍規改訂により、宇宙海軍士官の制服についても見直しが行われた。主な改正点は、
 
<1>通信器材、および情報関連装備の新式化。
ヘッドギアが右耳用に換わり、また腕時計型情報端末を装備。
 
<2>ベルトのTV受像機を廃止し、小型海戦シミュレータに換装。
従来より宇宙空間でのTV電波の受信は、地域によっては受信状態が安定しないとの苦情が絶えなかったため、換装される事となった。新たに制式となった海戦シミュレータは、士官各自が机上演習を実施できるほか、通信対戦も可能。なお、シミュレータ用ソフトは支給されるが、自腹をきればシューティングやRPGソフトも入手できる。
 
<3>デザインの変更
全体のデザインは従来のイメージを踏襲しているが、桃十字章のデザイン変更、マントのフチのラインを金色に変更、等が実施された。また従来のロングブーツは、着脱が手間がかかる上お手入れも困難、との指摘によりふつうのシューズに変更されたが、全体のデザインを継承するため黒いストッキングをはくことになった。
 
なお、階級章を兼ねる手袋と、グレイのワンピースは従来と変わっていない。
 
 
宇宙巡洋艦アガ〜ノフ
 
排水量:16,000質量トン  全長:221m   速力:36宇宙ノット
主砲:15.5センチ光子砲   連装上面3基,下面1基
 
3000年度竣功の新鋭巡洋艦。将来建設が計画されている宇宙水雷戦隊の旗艦となるべく、機動力と偵察力に重点が置かれた設計となっている。カタパルト上や艦載艇作業台上で待機中の機体は、「潤子の変な旅」本編でも登場したカメ式3号惑星着陸艇。通称「カメ3号」は、武装は7.7ミリ機関砲2門と軽装備ではあるが、惑星との往還のほか高速を生かした強行偵察機としても使用されている。上の図では、カタパルト上の1番機が発進に備えて滑走台試験中で、2番機もターンテーブル上で待機している。もっとも艦首寄りの3番機は、発進の予定もなく停止しているようだ。
 
 
 
 宇宙海軍士官制服(中尉)
 
2987年に制定された、イヤポポリス宇宙海軍の制服。黒、グレーを基調にした、詰め襟の士官制服は、はるか20世紀以来の伝統をそこはかとなく受け継いでいる。
 
襟元の徽章はイヤポポリス統合の象徴「もも十字章」。ベルトの大型バックルは、超薄型のテレビ受像機でひまなときにはずして眺めるためのものである。また宇宙軍艦内部は、場所によって空気が希薄なため、意志の疎通には図のような無線機を用いる。(戦闘中
は声帯マイクを用いる場合もある。)
 
階級は手袋の色であらわす。図は中尉(ビリジアン)のものだが、大尉(ミントグリーン)、少尉(若草色)と見分けるのは、軍関係者以外ムリである。
     
 
 
 
  
 
宇宙巡洋戦艦ポポリス
 
排水量:32,000質量トン  全長:330m   速力:31宇宙ノット
主砲:28センチ中性子弾砲   3連装上面3基,下面4基
 
2997年度計画艦。地球防衛を主目的として建造されたポポリス級
宇宙巡洋戦艦の1番艦。主砲弾は、11番惑星軌道で発見された
中性子星から採掘された、巨大質量弾を使用するため、主砲発射
時には、必ず反対方向にも発射して反動を吸収する必要がある。
 
建造所:横須賀工廠月面ドック
 
 
 
宇宙巡洋戦艦イヤリス
 
ポポリス級宇宙巡洋戦艦の2番艦。ポポリスより3ヶ月遅れて
呉工廠宇宙ドックで竣工した。性能は1番艦とほぼ同じだが、
2本のマストを前部艦橋で支持する方式に改め、また艦橋
構造自体も遠距離砲戦向けに改良が加えられている。
 
後部に見える半球状のドームは、乗員のビタミン源となる
キャベツを栽培するためのハウスである。
 
 
 
 
 
宇宙ポケット戦艦ヤドラス
 
本来、ポポリス級宇宙巡洋戦艦の3番艦として計画されていた
ヤドラスは、予算の都合により大幅な計画変更の末、宇宙ポケ
ット戦艦として2999年に竣工した。主砲とロケットモーターは
1、2番艦と共通だが、質量が1/8しかないため、恐るべき
加速度と機動力を持っている。
 
 
 
 
宇宙装甲巡洋艦イズモ
 
西暦2904年に勃発した、金星戦役での殊勲艦。当時地球では
国家撤廃、世界自主統一の方向に向かっていたが、資源豊富な
金星自治府はこれに反対、ついに宇宙艦隊同士の激突となった。
 
戦闘は長駆月軌道まで侵攻してきた金星艦隊に対して、月面
基地で待機していた地球艦隊がこれを邀撃、およそ2時間で
金星艦隊の80%を撃沈または大破し、地球艦隊の圧勝で
終わった。その後、金星も自主統一に加わり、今日の繁栄の
一翼を担っている。
 
宇宙装甲巡洋艦イズモは、トーゴー提督率いる地球連合
艦隊・第2艦隊に所属し、金星戦艦ヴィーナス14世、巡洋艦
アンチパパイヤを撃沈する等の殊勲を立て、現在は横須賀
工廠月面ドック付近に記念艦として保存されている。
 
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