「伊・・・伊号のだんな!あっしとクリス大佐が、彗星丸から吹っ飛んでしまったで
やす!伊号のだんな、応答しておくんなせい!!」
クリス大佐とぶつかって、彗星丸の屋根の上から勢いよく飛び出してしまったはっ
つぁんが無線で呼びかけると、すぐに伊19号の声が返ってきました。
「はっつぁん!大丈夫でござるか?損傷箇所があったら知らせるでござる!」
「伊号のだんな・・・クリス大佐とぶつかった部分の外装が若干凹んだみたいでやす
が・・・・とりあえず、無線機は大丈夫のようでやす、へい。」
伊19号の声を無線で聞いて、はっつぁんは少し落ち着いた様子で言いました。
「はっつぁん!彗星丸は現在、体力の消耗の激しい星姫様を船内に収容しようと
おおわらわでござる。うさぴー少佐たちに、地球艦隊とピヨピヨ艦隊に救助要請
を出してもらうので、はっつぁんはSOSを発信して位置を知らせるでござる!」
「わ、わかったでやす!SOSを発信するんでやすね」
SOSを発信し始めると間もなく、はっつぁんとクリス大佐は、地球艦隊の大型
戦艦の列を通り過ぎてしまいました。
「はっつぁん、聞こえるでござるか?彗星丸でSOSを受信したでござるが、現在は
っつぁんたちは、地球艦隊の球形陣から出ようとしているでござる。思いのほか
スピードがでているでござるな・・・・。燃料を節約して、救出まで持ちこたえるで
ござるよ!」
「わ、わかったでやす・・・・」
そう答えるとはっつぁんは、クリス大佐の頭部を両腕でしっかりと支え直しました。
「クリス大佐、あっしがSOSを発信しておりやすから、すぐに助けがくるでやすよ。
大丈夫、きっとふたりとも助かるでやす。」
クリス大佐は燃料切れで停止していたけれど、はっつぁんはクリス大佐と、そして
自分にも言い聞かせるように、力強く言うのでした。
もどる
Topへ すすむ