「艦長!旗艦チョモランマから、『威嚇砲撃セヨ』とのことです。」
ティグリス大佐の連絡に、コリス艦長が緊張した面持ちで応えます。
「了解。当たらないように、相手の進行方向の充分に前方を狙いましょう。
徹甲弾装填、1番砲塔から3番砲塔まで一斉射撃用意!」
戦艦ベスビオスの主砲塔が生き物のように動き出し、星姫さまと彗星丸の
進行方向のはるか先に狙いを定めます。
「射撃開始!」
ズドドドーーン!
「姫さま、地球艦隊は徹甲弾を撃ってきたでござる!」
彗星丸のコクピットで探知器を見ていた伊19号が、星姫さまに無線で
知らせてきました。
「減速すれば、やり過ごせるでござるが・・・」
「増速して、伊19号!重力刀を使ってみるわ。」
星姫さまが、手にした黄金の扇子をひらりと扇ぐと、扇子の骨組みが
縦に並びかわり、美しい刀になりました。
「ぬを!!天下の刀工伊3号の鍛えし業物、重力を自在に操る無敵の
宝刀、重力刀の出番でござるか!!心得ましてございまする!」
そう答えると、伊19号は戦艦ベスビオスの砲弾の真正面に向けて、
彗星丸を加速させていきます。
「わああ〜!!地球艦隊が砲撃してきたぴょん!砲弾がまん丸に
みえるってことは・・・直撃コースだぴょ〜ん!」
「え〜、、うさぴー少佐、どうしたらいいの?」
キャビンの窓から見ている、ユウ中佐たちは、気が気ではありません。
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